夢中になった経験には、本人にとって当たり前すぎて見えなくなっている力があります。スポーツ、創作、ゲーム、研究、音楽、勉強。対象は違っても、継続、改善、判断、表現、協働など、仕事にもつながる力が育っています。
経験を言葉に変える5つのステップ
事実を書く
何を、どれくらいの期間、どの頻度で続けたのか。まずは評価を入れず、事実だけを書きます。
例:中学から大学まで、週4日スケートボードを続けた。
繰り返した行動を探す
練習、記録、研究、修正、発表、相談など、何度も繰り返した行動を洗い出します。
例:技を撮影し、失敗の原因を確認して、姿勢や速度を調整した。
困難と向き合った方法を書く
失敗、停滞、恐怖、孤独、時間不足などに対し、どのように対処したかを言葉にします。
例:恐怖がある技を小さな段階に分け、成功確率を上げてから挑戦した。
使った力に名前を付ける
行動の背後にある力を、仕事でも通じる言葉へ変えます。
例:継続力、改善力、自己管理、リスク判断、目標設計力。
次の場面での活かし方を書く
その力が、新しい仕事や環境でどのように使えるかまでつなげます。
例:未経験の業務でも、小さく試し、記録し、改善を重ねながら習得できる。
「好きだった」で終わらせない。
スケートボードを10年間続けました。根性には自信があります。
技を撮影・分析し、失敗の原因を分解して改善を重ねました。結果が出ない期間でも検証を続ける習慣があります。
「根性がある」と自分で評価するより、実際に行った行動を伝える方が説得力があります。評価ではなく、行動と変化を言葉にすることがポイントです。
経験別の言い換え例
ゲームに没頭した経験
そのまま:ゲームが好きで何千時間も遊んだ。
言い換え:勝敗データを振り返り、戦略を修正しながら上達した。複数人で役割を分担し、状況に応じて判断を変える経験を重ねた。
見える力:分析力、戦略設計、状況判断、チーム連携。
創作に没頭した経験
そのまま:絵や文章を長く作ってきた。
言い換え:伝えたい内容に応じて構成や表現を変え、反応を見ながら改善した。完成まで何度も修正する習慣がある。
見える力:表現力、編集力、顧客視点、完成度への責任。
病気や回復と向き合った経験
そのまま:体調が悪く、思うように動けなかった。
言い換え:体調の変化を記録し、負荷と回復の関係を観察しながら、生活や行動を調整した。限られた状態でも継続できる方法を探した。
見える力:自己観察、仮説検証、自己管理、回復力。
5分でできる言語化ワーク
- 最も夢中になったことは何ですか。
- そこで何を何度も繰り返しましたか。
- 最も苦しかったことは何ですか。
- それをどう乗り越えましたか。
- その経験で身についた力は何ですか。
- その力を、これからどこで使いたいですか。
あなたの経験は、説明できたときに資産になる。
経験は、持っているだけでは相手に伝わりません。しかし、行動、工夫、変化、身についた力まで言葉にできれば、それは新しい仕事や人生へ持ち越せる資産になります。